介護をする上で、高齢者もまた一人の人間であることを強く意識することが大切です。
介護を受けている利用者の多くははじめから介護を受けていたわけではありません。
老化や病気の進行などによって要介護者となっています。
そのためそれまでの生活がその人にはあるのです。
介護を受けるようになったからといって、その人らしい生活を諦めてもらう必要はありません。
今までのような暮らしが出来るように工夫することが大切なのです。
このような尊厳のある暮らしを守るためにも、入居時に自宅にあった家具を持ち込んだり、仏壇を配置したりしてもらうとよいでしょう。
ベッドのシーツも真っ白なものではなく、自分の好きなデザインのシーツにしたりと生活に彩りを加えるのです。
ポータブルトイレも椅子のようなデザインのものにしたり、家庭的な雰囲気にするだけでも尊厳のある暮らしに近づきます。
尊厳を無視した介護をしないためには、言葉にも注意することも大事です。
排便が上手くいかなかった利用者が居て、上手にトイレに行けたからといって大声で褒めたりするのはやめましょう。
自分たちにとっては嬉しい出来事かもしれませんが、利用者にとっては誰かに聞かれたくない会話かもしれないので配慮が必要です。
その人が認知症であっても尊重を無視した介護になるので、気を付けます。
また介護を拒否したときには無理強いせず、相手を尊重して優しい声がけをします。